中国経済の低迷が誰の目にも明らかになっている。国家統計局が8月9日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0・3%の下落を記録し、中国経済が消費の不振によるデフレ局面に入ったという見方が強まっている。
さらに8月17日には中国恒大集団が米国で連邦破産法15条の適用を申請するなど、不動産関連企業の経営不振が長引いていることも、中国経済に関する悲観的な見解を増幅している。
興味深いのは、不透明さを増す中国経済の行方について著名なエコノミストがさまざまな診断・処方箋を発表し、さながら百家争鳴のさまを呈している点だ。中でもよく知られているのは「中国経済の日本化」に関する議論だろう。
これはもともとは、少子高齢化が進み、拡大する財政赤字とデフレに苦しんだ日本の状況と今後の中国経済は似てくるのでは、という長期の経済展望に関する議論だった。
一連の不動産市場の変調を踏まえ、バブル崩壊以降の日本経済の病理を資産価値の下落に伴うバランスシートの毀損に求めた、野村総合研究所主席研究員のリチャード・クーによる議論などにも再び注目が集まっている。
「綱渡りの終焉」なのか
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