10年以上前の初夏の休日。「中国大使館関係のパーティーへ行きませんか」と知人に誘われ、好奇心から同行した。指定された住所は東京の城南地区の一角にある高級住宅街だ。その中でも目を引く豪邸だったが、表札の類いは見当たらなかった。
飛び入り参加した筆者が名刺を渡すと、応対に出た人物は一瞬眉をひそめた。何と彼は中国大使館の駐在武官。屋敷の主はその上司である人民解放軍の少将だった。
邸内の広いパーティー会場には自民党の有力政治家の秘書から実業家、さらに名の知れた俳優たちまで多彩な顔ぶれが集っていた。日本社会に中国大使館が築いたネットワークの広さを実感した。
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