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機微に触れる情報は「特異点」から入手できる 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿⑰

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「アガエフさん、これからもっと頻繁に会うことにしよう」

「もちろんそれは構わない。これまでも、佐藤さんが会いたいというときはいつも時間をつくっている」

「それはわかっているし、感謝している。今まではナゴルノ・カラバフ問題やアゼルバイジャン情勢、ソ連共産党中央委員会やソ連最高会議の動静について、僕がアガエフさんから教えてもらうだけだった。今後は僕から国際情勢やイラン、トルコ、それからアルメニアの動きについて調べてアガエフさんに伝えるようにする」

「それは助かる。僕は英語がわからないので、外国の情勢について入手できる情報はロシア語で書かれたものに限られる。どうしても情報に偏りが出てくるので、佐藤さんから欧米や日本の情報を教えてもらえると助かる」

「ソ連でも情報開示が進んで、新聞、雑誌や人民代議員大会、最高会議の議事録でかなりの情報を得ることができる。しかし、その情報をソ連人がどのように受け止めるかが理解できない。またソ連共産党中央委員会には民族問題部ができたが、その機能もよくわからない。秘密情報は要らないので、公開情報の範囲でソ連共産党中央委員会やソ連政府の動きについてどうみたらよいか教えてほしい」

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