実は「脱炭素大国」!ブラジル強気投資の意気込み 発電量の75%は再エネ、水素輸出の潜在力も

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アマゾンの森林破壊問題に焦点が当たりがちなブラジルだが、実は再エネが75%を占める「脱炭素大国」。ルラ新政権はESG投資に拍車をかける。

極右のボルソナロ前大統領を破り、2023年1月から新政権を発足させた左派のルラ新大統領(写真:Bloomberg)
1月に新政権が誕生した南米の大国、ブラジル。左派色が強く、社会保障などの歳出拡大を志向するルラ新政権だが、同時に脱炭素市場を売りにした、環境重視の成長戦略も推進する。ブラジル経済の今後について、BNPパリバのラテンアメリカ担当エコノミスト、グスタヴォ・アルーダ氏と同社のブラジル法人CEO(最高経営責任者)のリカード・ギマラインス氏に聞いた。

 

――ブラジルでは1月に左派色が強いルラ政権が再び誕生しました。

アルーダ ルラ氏は社会保障を強化する期待を背負って政権復帰したため、まずは社会保障政策を大きく打ち出すことが期待されている。インフレ押し上げ要因になるが、政権への支持を維持しないといけない。歳入も確保する必要がある。ルラ政権は富裕層に課税するとしているが、財政均衡をはかりながら社会保障への支出をどう増やすかが財政政策での焦点とみられている。

ギマラインス すでに対GDP(国内総生産)比で税収が3割程度あり、この割合は新興国としてはすでに高い状況だ。財政支出は上限を設けていたが、インフレもあり、この上限では対応できなくなりつつある。すでに前政権期にも上限を超えていた。ルラ政権は歳入増に応じて歳出を増やすとしており、その中でも経済発展のためにESG(環境・社会・ガバナンス)関連の政策を進めることを掲げている。

カーボンニュートラルにメドがたった唯一の大国

――アマゾンにある熱帯雨林の伐採などが世界的に問題視されてきましたが、ESGやSDGs(持続可能な開発目標)の面でブラジルの優位性はどこにありますか。

ギマラインス ブラジルはすでに2050年までにカーボンニュートラルを達成できるメドが立った唯一の大国だとアピールしている。ブラジルの電力はすでに75%以上が再生可能エネルギーによって賄われており、現在ある発電やエネルギー技術でカーボンニュートラルを明確に実現できる。

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