JR新千歳空港駅「北海道の玄関」の歴史とこれから 日ハム新球場は千歳線の輸送も大きく変える
新千歳空港ターミナルビルが開業した後、JR北海道の輸送体系にも大きな変化が訪れる。新千歳空港駅の乗降客数は、多少の増減はありながらも上昇。2020年度は新型コロナウイルスの影響で年間478万人と大幅に減少したが、2021年度の乗降客数はおよそ602万人で、復調の兆しが見えてきた。また、当駅の乗降客数はJR北海道の駅では札幌駅に次いで多い。
駅舎1つを見ても、高い評価を受けつつも進化を続けている。1994年には駅舎とそのアートワークがブルネル賞の奨励賞を受賞。デンマーク国鉄と共同制作で作り上げた駅舎の機能性などが高い評価を受けた。2018年からリニューアル工事に着手し、「北海道らしさ」を押し出した駅舎に生まれ変わっている。
実際に駅へ降り立ってみると、駅の内装は無駄がなく洗練されている。白系を基調とした壁面と床、北海道らしさを想起させる木目調のベンチ類も目を引く。駅舎の広告類も、北海道でしか味わえない食料品のものがほとんどだ。航空各社の到着ロビーから改札までの経路も非常にわかりやすく、あっという間に改札口へ到着する。JR北海道は維持面でほかの駅と異なる特別な取り組みは行っていないと言うが、工夫が凝らされているように感じた。
新千歳空港を含め、道内に大きな影響を及ぼしたできごとがある。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震だ。道央エリア南部の厚真町では震度7を記録し、北海道全域で停電が発生したため、JR北海道では北海道新幹線を含めたすべての路線で終日運転を見合わせた。管内の路線では多くの軌道変位や路盤変状が発生したが、新千歳空港駅付近では物損被害はなく、地震発生翌日の9月7日には快速「エアポート」の運転を再開している。
30周年から未来へ
JR北海道は、新千歳空港駅開業30周年に合わせてさまざまな取り組みを行った。
快速「エアポート」に充当される車両に特別仕様のシール式ヘッドマークを掲出して運転したほか、駅舎でも駅社員がデザインした記念ロゴを作成。新千歳空港駅では記念フォトスポットや記念スタンプを新たに設置し、メモリアルイヤーを盛り上げた。
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