4カ月ぶりに支持率が上昇に転じた岸田内閣。長期政権への地歩を固めきれるか。
4カ月ぶりに内閣支持率の上昇が明らかになった。2023年3月の世論調査では、朝日新聞40%、読売新聞42%、共同通信38.1%、時事通信29.9%である(底は22年11月〜23年1月で、朝日31%、読売36%、共同33.1%、時事26.5%)。「異次元の少子化対策」への取り組み、日韓関係正常化、岸田文雄首相のウクライナ電撃訪問などが評価されたとみられる。23年度予算も波乱なく3月28日に成立した。
支持率回復を見て自民党内で衆議院解散・総選挙の臆測が急浮上している。前回の衆院選は新内閣発足直後の21年10月31日だった。まだ1年半足らずだが、前回は事実上の任期満了選挙で、首相は専権事項である解散権を実質的には一度も行使していない。岸田首相の1期目の自民党総裁任期は24年9月までで、「総裁再選・2期続投」を確実にするには総裁選前の解散・総選挙断行が不可欠という計算が働いても不思議ではない。
3月29日に衆議院内閣委員会でその点を問われた首相は、「今、解散は考えていない」と一応、否定したが、解散戦略が視野にあるのは疑いない。首相の解散権については、就任前の菅義偉内閣の時代、「岸田氏は解散に踏み切らない菅氏について当時『なぜかわからない。すぐに支持率は下がるぞ』と周囲に話していた」という(日本経済新聞・22年10月16日付朝刊「風見鶏」)。岸田首相には、政権維持の切り札は衆議院解散という明確な自覚があるとみる。
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