銀行危機でもFRB「利上げ停止」にいたらないワケ シリコンバレー銀行破綻で揺れるFOMCの行方

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個人消費も旺盛で物価上昇がとまらないアメリカ経済。シリコンバレー銀行など2行の破綻のほか、欧州ではクレディ・スイスの危機など金融不安が市場にくすぶるが、雇用も堅調な中、FRBはインフレ退治に向けて着実に利上げを継続する気配が濃厚だ。

2023年3月8日、アメリカ下院金融サービス委員会の公聴会で証言するFRBのパウエル議長(写真・2023 Bloomberg Finance LP)

FRB(連邦準備制度理事会)は利上げを継続するのかどうか。3月21~22日に開催が予定されるFOMC(連邦公開市場委員会)を前にしてアメリカの金融政策は岐路に立たされている。

アメリカ経済は、銀行危機による金融システムへのリスクと頑固な高インフレという2つの問題に直面している。市場関係者からみればFRBは利上げを見合わせるか、または継続するか、どちらの選択肢をとるのか判断に迷うところだ。

システミックリスクを抑え込み

シリコンバレー銀行(SVB)など2行が破綻し、ファースト・リパブリック銀行などほかの金融機関への信用不安拡大が懸念されている。欧州ではクレディ・スイスグループへの経営不安が再び強まった。

すでにアメリカ財務省やFRBなど当局は金融市場のシステミックリスク抑え込みに注力している。SVBなど破綻した銀行の顧客預金の保護や債券の投げ売りを防ぐための資金供給など緊急措置を相次ぎ導入。ファースト・リパブリックには大手銀行11行が合同で預金を行う信用補完策も展開した。クレディ・スイスをめぐってもUBSによる買収が決まり、金融市場の安定化が進む。

こうした中、市場関係者の間でくすぶる見方が、FRBの利上げ停止だ。利上げの継続はSVB破綻に端を発するシステミックリスクを抑え込む取り組みと相反するものとされ、その見方は確かに一理ある。

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