有料会員限定

ウクライナ戦争、ロシアに傾斜する中国の狙い 戦争の長期化は中国を利すると、冷徹な計算

✎ 1〜 ✎ 388 ✎ 389 ✎ 390 ✎ 最新
拡大
縮小

ロシアに再び肩入れする中国。ウクライナ戦争の長期化は中国のためになる。そんな思惑が透けて見える。

握手を交わすプーチン大統領と王毅・中央政治局員
ロシアのプーチン大統領と中国の王毅・中央政治局員がモスクワのクレムリンで会談。両国の緊密な関係を確認した(写真:ロイター/アフロ)

ロシアがウクライナに侵攻してから1年が経った。中国は表向き中立を保ってきたが、このところ、それが崩れてきている。習近平政権は程なく、より明確なロシア支援に踏み込むだろう。ウクライナ戦争は、すべての主要国の関与を受け実質的な世界大戦となり、現代の泥沼と化す可能性が出てきている。

習国家主席は近々、ロシアの侵攻開始後に初めて同国を訪問する主要国の指導者になりそうだ。2月22日、対外関係を統括する王毅・中央政治局員はクレムリンでプーチン大統領と会談した。ロシアが公表した記録によれば、プーチンはその際、両国は習のロシア訪問で合意済みだが、今は中国で全国人民代表大会などが終わるのを待っていると述べた。王もこれを否定せず、中ロ関係は国際社会の圧力に耐えて持続的に発展してきた、国際関係の多極化と民主化のために一層協力を深めるべきだと応じた。

ロシアに肩入れし西側を非難

開戦から1年の2月24日、中国は「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する文書を公表した。これは一見、中国が世界の平和勢力であるかのような道徳的な言葉遣いであふれる。だがその内容は、ウクライナを支援する西側諸国に極めて批判的で対抗的だ。

次ページベラルーシと軍事的産業協力か
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内