ロシアに再び肩入れする中国。ウクライナ戦争の長期化は中国のためになる。そんな思惑が透けて見える。
ロシアがウクライナに侵攻してから1年が経った。中国は表向き中立を保ってきたが、このところ、それが崩れてきている。習近平政権は程なく、より明確なロシア支援に踏み込むだろう。ウクライナ戦争は、すべての主要国の関与を受け実質的な世界大戦となり、現代の泥沼と化す可能性が出てきている。
習国家主席は近々、ロシアの侵攻開始後に初めて同国を訪問する主要国の指導者になりそうだ。2月22日、対外関係を統括する王毅・中央政治局員はクレムリンでプーチン大統領と会談した。ロシアが公表した記録によれば、プーチンはその際、両国は習のロシア訪問で合意済みだが、今は中国で全国人民代表大会などが終わるのを待っていると述べた。王もこれを否定せず、中ロ関係は国際社会の圧力に耐えて持続的に発展してきた、国際関係の多極化と民主化のために一層協力を深めるべきだと応じた。
ロシアに肩入れし西側を非難
開戦から1年の2月24日、中国は「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する文書を公表した。これは一見、中国が世界の平和勢力であるかのような道徳的な言葉遣いであふれる。だがその内容は、ウクライナを支援する西側諸国に極めて批判的で対抗的だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら