ユーグレナ、「バイオ燃料」で大規模計画の狙い エネルギーの世界大手と異色の共同事業を検討

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ユーグレナの出雲社長は今回の共同プロジェクトを「頂上」と表現した(撮影:今井康一)
藻類のミドリムシのヘルスケア分野での培養に成功し、健康食品や化粧品で成長、近年はバイオ燃料など新たな事業を展開するユーグレナ。2022年末、世界的なエネルギー企業と大規模な取り組みを発表した。
それは、マーレシアのペトロナス、イタリアのエニと、マレーシアでバイオ燃料製造プラントの建設・運営プロジェクトを共同で検討するというもの。世界的なバイオ燃料の需要増加に対応する狙いで、2025年中の商業プラント完成を目指し、2023年中に3社で最終的な投資決定を行う見通し。
本プロジェクトは推定10億ドル(約1300億円)規模。出雲充社長は今回のプロジェクトにどのような狙いを込めているのか。

――今回のプロジェクトは3社の合弁方式、そして、プラントの建設地はマレーシアです。日本での生産は検討しなかったのでしょうか。

常に一番いいやり方を目指している。一番いいパートナー、一番いい場所、すべてを検討したうえでこの共同プロジェクトにたどりついた。立地は日本のほうがいいとか、そういった目線はまったくない。

(画像:ユーグレナの公表資料から抜粋)

プラントの建設場所は、アジア最大で最新、価格競争力もあるマレーシアの石油コンビナート内だ。ここならば、マラッカ海峡をはさんで太平洋にもインド洋にも、つまり東にも西にも商売を広げられる。マレーシアは成長国家で日本との相性もよく、地政学的リスク上のメリットなどがあり、あらゆる指標から見ても、これほどベストな場所はないと思う。

エニはバイオ燃料では世界トップ級の会社であり、アジアに地の利があるペトロナスやユーグレナにとっても、エニがパートナーになるのはとても心強い。ここでわれわれはSAF(航空用のバイオジェット燃料)とバイオディーゼル燃料などを生産し、本気でアジアナンバーワンを目指す。アジアでは(フィンランドに本社を置く、バイオ燃料で世界最大級、SAFで世界最大手の)ネステ社を超える。確実に。

欧州でエニは、ネステに次ぐバイオ燃料事業の経験があるものの、アジアではない。そこにアジアで最新、最大の石油化学コンビナートを持つペトロナスが加わるのだから、本当にいいメンバーだ。

追いつき、追い越すために

――なぜ、エニやペトロナスからユーグレナがプロジェクトのパートナーに選ばれたのでしょうか。

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