ユーグレナ「バイオ燃料プロジェクト」に残る課題 エネルギー大手と巨大プラント建設計画を発表

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2022年12月の発表資料。なぜユーグレナは巨人たちと肩を並べてプロジェクトに参画できたのか(編集部撮影)

藻の一種ミドリムシ(学術名ユーグレナ)を使った食品・化粧品で創業・成長してきたユーグレナが次の大きな一手を繰り出した。

2022年12月14日、イタリアの石油精製大手のエニ、マレーシアの国営石油化学大手のペトロナスとの3社で巨大バイオ燃料プラントをマレーシアに建設することを検討すると発表した(最終決定は2023年中を予定)。総投資額は推定10億ドル(約1300億円)、年産規模は次世代バイオディーゼルとバイオジェット燃料(SAF)など72.5万キロリットル、プラント完成は2025年、稼働は2026年の予定となっている。

SAFの世界首位はフィンランドのネステ社だ。同社は2023年3月までに総額16.5億ユーロ(約2300億円)を投じ、シンガポールプラントでSAF中心にバイオ燃料の年産能力を最大130万トン(150キロリットル)の大増強を行う。今回の3社プロジェクトはアジアではこれに次ぐ規模で、売上高10兆円のペトロナス、同6.8兆円のエニにとってはネステ追撃のカギを握る。ここに燃料事業で売り上げ2億円程度のユーグレナが名を連ねようというのだから驚きだ。

巨人たちとなぜ手を組めたのか

驚きはほかにもある。ユーグレナが両巨人を相手にこのプロジェクトで3割の「対等参画」を目指すことだ。年25万キロリットルの生産態勢を構築し、バイオ事業で500億円の年商を稼ぎ、年商1000億円企業をめざす長期構想がユーグレナにはある。そのためには、今回のプロジェクトで3割シェア(生産持ち分約22万キロリットル)を確保する必要がある。

なぜ、ユーグレナがこの巨大プロジェクトに参画できたのか。

次ページ事業化に向けた課題とは?
関連記事
トピックボードAD