オートバックスが狙う「整備士」大増員の真意 カー用品最大手が整備士不足の根本問題に挑む

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整備士の確保に動くオートバックス。人手不足に対処できるか(記者撮影)

「整備士の地位向上と育成」。カー用品販売最大手のオートバックスセブンが2030年度に達成すべき非財務目標に掲げた項目の一つだ。2022年11月1日に発表した決算説明資料で初めて明記した。

具体的には、「2021年度に連結対象で303人だった2級整備士を、2030年度に約1.5倍の450人まで増やす」というもの。連結対象外のFC(フランチャイズ)店まで含めた2級整備士は現在約2500人だが、こちらも2030年度に1.5倍の3800人まで増やす。

業界を悩ます人材不足

整備士の確保に動くのは、車検事業を伸ばしたいという狙いがあるからだ。車検は、新車購入の3年後と、その2年後ごとの実施が道路運送車両法で定められているため、一定期間ごとに需要が生じる。その顧客を取り込めれば安定収益に繋がる。さらにそのタイミングで、タイヤの交換や履き替え、エンジンオイル交換などを提案でき、主力事業であるカー用品販売とのシナジーも期待できる。

「顧客との接点を増やす」ことを取組方針の筆頭に掲げるオートバックスは、2012年3月期に53.5万台だった車検・整備の実績を、2022年3月期には約1.2倍の65.2万台に増やしている。

車検を行うには「自動車検査員」の資格が必要。そして自動車検査員になるには、「1級整備士」または「2級整備士」の資格が求められる。車検の台数を増やすには、自動車検査員になる前の整備士の確保が重要になる。車検のための整備や車検後の整備にも、整備士の存在が不可欠だ。

オートバックスが整備士の確保に奔走するもう一つの理由は、業界全体の整備士数が減少傾向にあることだ。

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