教員経験もある異色の経歴、経産省・五十棲浩二が描く「未来の教室」の姿 外の力も活用し、多様で「柔軟な学びの形」を
すでに「未来の教室」では認定NPO法人カタリバのオンライン不登校支援プログラム「room-K」を通じた実証事業などを行っているが、「学校が柔軟さを持つことで生徒も学びを継続しやすくなるはず」と言い、こう続ける。
「校内のSSR(スペシャルサポートルーム)や不登校特例校など文科省も柔軟な取り組みに力を入れていますが、子どもによっては専門家によるオンラインでのケアが効果的な場合もあるでしょう。また、オンラインのほうが知見を蓄積・共有しやすいという利点もあります。不登校は何か1つの対応で解決するものではなく、複層的に取り組まなければいけないことだと考えています」
教員の働き方改革を進めるためにも、学校や地域、民間を含めた複合的な視点が必要だと語る。
「働き方改革においても、学校の中だけで完結するのではなく、外の力も柔軟に活用しながら、児童生徒が選んで組み合わせることができるビュッフェ的な学びに変えていく発想転換が必要だと思います。教員の役割はキュレーターやコーチに変わり、発達段階に応じて学びの選択をサポートしていく。また部活も、どんなご家庭のお子さんにも好きなことを追求できる機会を提供してきたという重要な機能をどう維持していくか、社会全体で考えることが大切です。それが結果として、教員の働きやすい環境につながっていくのではないかと考えています」

経済産業省商務・サービスグループ サービス政策課 教育産業室長
2001年経済産業省入省。資源エネルギー庁、内閣府、環境省などを経て、14年に官民交流制度により私立聖光学院中学校高等学校に出向。17年に経産省政策審議室にて教育産業室の立ち上げに関わった後、同省を退職。私立聖光学院中学校高等学校勤務(校長補佐)、神奈川私学修学支援センターの立ち上げ、慶応義塾大学特任講師などを経て、22年7月より現職
(文:國貞文隆、撮影:今井康一)
東洋経済education × ICT編集部
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