海外旅行の物価高対策、「ドミトリー」のすすめ 高級ホテル1泊分の値段で1週間滞在できる

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そこで、旅行に必要になる宿泊費を安く抑えられるドミトリーという宿泊施設も有効に利用したい。ユースホステルやカプセルホテルに近いかもしれないが、ホテル代高騰などから世界で増えていて、訪日需要増加などから日本でも多くなった。「若者専用」のようにとらえる人もいるかもしれないが、年齢に関係なく広く利用されている。

ドミトリーならヨーロッパ主要国、物価の高い北欧や、やはり物価高のオーストラリアやニュージーランドなどを含めても3000~5000円程度で宿泊でき、カナダやパリなど観光地のピークシーズンでも1万円を超えることはまずない。アジアなどの物価の安い国では1000~3000円で宿泊できる。

東京でも増えていて、筆者は先日、東京の浅草橋駅近くに2000円以下で宿泊した。カプセルホテルとは異なるので日本の宿に付き物の浴衣はないが、200円でパジャマを貸し出していた。

ドミトリーが少ない国も

ただし、アメリカなどドミトリーの宿そのものが少ない国もある。アジアでも、ホテル代が高騰した台湾ではドミトリー利用、物価がそれほど高くないタイではホテル利用、さらに同じ台湾でも台北など大都市ではドミトリー、地方都市ではホテル利用などと、使い分けも必要だろう。ホテル予約サイトで「安い順」に並べると、上位の多くがドミトリーである。

4~10人程度の相部屋で、トイレ、シャワー、キッチンなどは共用、「ホテル」ではなく「ホステル」といい、宿の名称に「バックパッカーズ」と入ることも多いが、決してキャリーバッグを持ち込めないわけではない。ゲストハウスなどと呼ばれる宿泊施設には、ドミトリーと個室を併設していることも多い。

個室ではないので、プライバシーは保たれていないが、寝るだけなら十分で、そうでない時間は共用スペースでくつろぎながら、さまざまな旅行者との触れ合いがあるのがいい。共用スペースには食器類、冷蔵庫、電子レンジ、湯沸かし器などの調理器具が揃っているので、ホテルよりむしろ便利に感じる。洗濯機があることも多い。部屋は男女混合が多いが、アジア中心に女性専用部屋を設けている施設も多くなった。

値段も安いが、海外では、「値段が安いから」利用されているというよりは「レストランだけでなく、現地のスーパーマーケットなどで食材を買い、キッチンで自炊もしたい」「ホテルでは旅行者同士の交流がない」など、ドミトリーならではの理由で選ぶ旅行者も多い。

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