なぞ多き仮想通貨、交換業大手はオーナー不明 FTX破たん後仮想通貨の透明性の重要性が高まる
分からないことの多い暗号資産(仮想通貨)の世界では、交換業者のオーナーが誰なのかという一見単純な問いすらひどくややこしい。
中国にルーツを持つプラットフォームのフォビグローバル(火幣全球)がそうだ。世界の最大手からは一歩ひいたが、コインゲッコーによれば、今も1日当たり3億ドル(約430億円)超の取引を扱っている。
フォビグローバルは先月、共同創業者で経営権を握る李林氏が全ての保有株をアバウト・キャピタル・マネジメントHKが運営する投資会社に売却したと発表した。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べたところによると、中国生まれの仮想通貨界の大物、孫宇晨氏が、香港を本拠とする資産管理会社アバウト・キャピタルを通じて約10億ドルで株式60%程度を購入した。ベンチャーキャピタルのセコイア・チャイナと真格基金も保有していた合計28%のフォビグローバル株をアバウト・キャピタルに売却したという。
関係者によれば、孫氏は中国当局から注目されることを避けるためにこの取引について自分の名前を伏せたという。中国では仮想通貨がほぼ禁止されており、孫氏はフォビグローバル売買への関与を繰り返し否定している。
フォビグローバルの広報担当者も孫氏が買い手であることを否定。同氏のフォビとの公式の関係はアドバイザーというものだ。アバウト・キャピタルのウェブサイトに掲載されていた電話番号や電子メールアドレスに取材を試みたが応答はない。セコイアと真格基金はコメントを控えた。
サム・バンクマンフリード氏のFTXが破綻した不透明な経緯を受け、仮想通貨セクターの透明性の重要性が高まった。フォビグローバルを含め多数のプラットフォームが顧客資金についての透明性を高めるため資産状況を開示することを約束している。
孫氏のフォビグローバル売買関与は、オンラインサイトのウー・ブロックチェーンが先に伝えていた。
原題:Crypto’s Latest Mystery Is the Ownership of Major Exchange Huobi(抜粋)
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著者:Zheping Huang
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