イタリアの次期首相メローニはいつ牙をむくのか 極右政党に未来を託し、EUとの関係は不安定に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

欧州債務危機時には、EUや国際通貨基金(IMF)の財政支援下に入る寸前のところまで追い込まれた。変化を求めたイタリア国民は、2018年の前回選挙でポピュリストに政権運営を託した。左派系ポピュリストの「五つ星運動」と右派系ポピュリストの「同盟」による連立政権は、財政運営や移民問題をめぐってEUと対立したが、金融市場からの圧力に晒され、政策の軌道修正を余儀なくされた。

連立内の意見相違もしばしば表面化し、ポピュリスト政権は結局、途中で空中分解し、連立組み換えを経て、昨年2月に欧州中央銀行(ECB)前総裁のドラギ氏を首班とする挙国一致政権が誕生した。国内外で幅広い信任を集めたドラギ首相は、コロナ禍克服で堅実な手腕と強力なリーダーシップを発揮したが、政治の権謀術数に巻き込まれ、早期退陣に追い込まれた。

どの政党に政権運営を任せても、国民の暮らし向きはいっこうによくならない。そこでイタリア国民は、まだ政権を主導したことがない新顔の「イタリアの同胞」に未来を託してみようと考えた。

右派政党の連立政権が誕生へ

次ページ気になるEUとの向き合い方
関連記事
トピックボードAD