極東有事を前提に、ウクライナから何を学べるか ウクライナ戦争、宗教文化、ゲーム理論など書評8冊

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ブックレビュー 今週の8冊

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』

・『格差社会の宗教文化 「民衆」宗教の可能性を再考する』

・『あなたはどこで死にたいですか? 認知症でも自分らしく生きられる社会へ』

・『雷神と心が読めるヘンなタネ こどものためのゲーム理論』

[新書紹介 3分で4冊!サミングアップ]

・『エネルギーの地政学』

・『仏教の大東亜戦争』

・『鉄道ビジネスから世界を読む』

・『縄文人と弥生人』

『ウクライナ戦争と 世界のゆくえ』 鈴木一人、小泉 悠、鶴岡路人、森 聡、川島 真、宇山智彦、 池内 恵 著
『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』鈴木一人、小泉 悠、鶴岡路人、森 聡、川島 真、宇山智彦、池内 恵 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

ポスト冷戦時、米国は国際紛争に軍事介入していたが、国際金融危機で疲弊した後は、必ずしも介入しなくなっていた。2014年のクリミア危機に続き、ウクライナ戦争でも米国は介入を見送った。ウクライナが同盟国ではなく、侵略国のロシアが核保有国だからだというが、このウクライナモデルは、果たして台湾に適用されるのか。

日本を代表する国際政治学者7人の、この戦争の影響などに関する論稿を集め緊急出版。ブックレット様だが、上下2段組、深い洞察を得られる1冊だ。

極東有事を前提に日本は何を学べるか

戦争勃発後、ロシア弱体化を目指し、日本はG7各国と緊密に協力して、経済・金融制裁に踏み切った。ただ、追随したのは主に先進国で、多くの新興国は中立にとどまり、先進国、中ロ、大多数の新興国という三極構造が生じた。

サウジアラビアやイスラエル、トルコなど親米だった国々もしたたかに中立を決め込む(池内恵)。中国などを通じた制裁の抜け穴があるだけでなく、物価高という返り血を浴びたG7各国では政権支持率が低迷し、制裁疲れの広がりが懸念される(鈴木一人)。

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