STEAM(スティーム)教育とは?STEM教育とどう違う?学校や家庭での取り組み事例を紹介
例えば国語の授業で習った海の魚の話を基に、タブレットなどのパネルに指で描いた魚の絵を泳がせるプログラムを作ったり、ロボット教材を使って街の問題解決を目指したりといった実践が行われています。
「子どもが描いた「絵が動く」今どき図工授業の斬新」
文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」
経済産業省「『「未来の教室」プロジェクトから見たEdTechやSTEAM教育の課題』」
中学校での事例
中学校は理科・技術科・数学科・美術科をより専門的に学ぶ中で、それらを横断するような取り組みが行われています。例えばネットワーク技術を基に双方向通信を学び、それを活用した観測や計算、またはアート表現などを実践しています。先進的な環境においては、すでにVRゴーグルを使った古典場面の疑似体験なども実施しています。
高等学校での事例
高等学校においては、自ら問いを立てて自ら解決に向かうことを学んでいます。RESAS(地域経済分析システム)を基に探究学習を行うことや、経済産業省「未来の教室」実証事業などの後押しを受けてAI教材などからさまざまなICT利活用の促進、またはオンライン国際交流など、発展的な教育活動が行われています。
大学での事例
今の大学生は多くがパソコンを使いこなし、それぞれの研究分野から発展した新しい分野の開拓などのほか、産業界とのジョイントプロジェクトなども進められています。
例えば東京工業大学は、ロンドン芸術大学と協力し、STEAM 教育を軸にした「科学技術とアート」による新領域構築に取り組んでいます。ここでは、科学技術が現代の「様式」や「モード(潮流)」の融合を提唱する「DEEP MODE」という、学生と社会人が参画する共同研究や研修を行っています。
学校以外での取り組み事例
地域ICTクラブなど
全国各地で「少年少女発明クラブ」などが運営されており、また地域の有志エンジニアなどによる無料の地域ICTクラブも開かれています。中でも「CoderDojo」などは全国に200以上あります。
民間STEAM教室など
大手フランチャイズ、または地域の独立系のSTEAM民間教育も盛んです。「ラーニングセンター新浦安」などはアドラー心理学によるインクルーシブSTEAM教育で有名です。また、「LITALICOワンダー」や「アーテックエジソンアカデミー」はロボットの組み立てとプログラミングが行えることで注目を集めています。
自治体イベント
自治体などによるイベントやコンテストもかなり増えています。行政や外郭団体、また中には全国規模のイベントも開催されています。
STEAM教育にお薦めの教材タイプ3選

パズル型=コンピューターサイエンス教育ツール
パズルやステップアップ的に課題をクリアしながら、コンピューターサイエンスを学ぶタイプの教材です。
創造型=プログラミング教育ツール
画面上のキャラクターや実際のロボットを動かしながら、自由に創造的な学びを広げるタイプの教材です。
探究型=データ活用教育ツール
主体的に課題を設定し、情報や素材を集め、知的好奇心を満たしていくタイプの教材です。
STEAM教育と日本
日本のSTEAM教育では、関係する構成要素はほぼ整っています。
例えば、中学校での「数学」「理科」「技術・家庭」など、履修範囲は十分な水準をカバーしており、すでにプログラミングについても技術科で行われてきました。しかし、知識・技能の習得にとどまることも多く、「総合的な学習の時間」など教科横断として活用する、資質での遅れが指摘されてきたなどの課題もあります。