横浜市「部活の地域移行」で実践研究、「受け皿や人材確保」で企業にも好機 リーフラスは全国延べ684校で部活支援の実績

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「指導する際に気をつけているのは、『バドミントンは楽しい』と思ってもらうこと。部員のほとんどが未経験者で、競技経験がある先生もいなかったため、先輩の見様見まねでやっていたようですね。そこで、まずは私がお手本を見せて『こうやりましょう』と伝えるようにしています」

徳永氏は、横浜市保土ヶ谷区のバドミントン大会で優勝経験を持つ実力者。目の前で実際にプレーして見せることは、うまくなるための技術を正しく伝えるとともに、週に1度しか会わない外部指導者が生徒たちの信頼を得るうえでも重要なことなのだ。

「顧問の先生が安心して指導できるよう、平日のメニューも提供しています。メニューは学年ごとに用意しますが、部員のレベルはそれぞれ。そこで、目標は各自で決めてもらい、一人ひとりに合わせた声がけを心がけています。例えば、ノックをやる時も『この子は5本入ったら褒める』『この子は全部入ったら褒める』など、実力に合わせて声かけも変えています。中学生は本当に素直ですから、間違ったことを教えないよう、気をつけています」

社会人向け指導経験を生かしながら、地域部活動支援を通じて改めて人に教える楽しさを実感しているという徳永氏は「彼らが高校生、大学生、社会人になった時に、一緒にバドミントンができたら」と語る。

「学校・顧問・指導者」の情報共有の正確さとスピードが重要

実際、指導者と顧問の先生との情報共有は、どのように行っているのか。休日の部員の出席状況や練習メニューの内容、ケガや問題の有無など、スムーズに情報共有がされていないと平日の部活動運営にも支障を来す。

リーフラスでは、学校や自治体によって対応が異なるものの、学校と部活動の顧問、指導者をつなぐ統括責任者を置いているという。リーフラスの社員が窓口となって、学校や顧問の指導方針、希望を聞いたうえで指導者に共有し、練習日程の調整も行うのだ。生徒が欠席する場合も統括責任者が直接やり取りし、教員の負担を軽減しているという。

藤根敏哉(ふじね・としや)
リーフラス 関東支社 神奈川第一支店  副支店長
(写真:リーフラス提供)

横浜市の実践研究で統括責任者を務める関東支社 神奈川第一支店 副支店長の藤根敏哉氏はこう話す。

「ご家庭をお持ちの先生から『週末だけでも代わってもらえるのはありがたい』という声もいただいています。また、その競技の経験や知識がない先生にとって、メニューを考えるのは大変なこと。『大会の予選に向けて専門的な指導をしてほしい』と希望される先生の中には、週末の練習を見に来られる方もいますね」

顧問の中には、競技経験や知識を持つ教員もいるため、その指導方針に従って週末の練習メニューを組み立てることもある。そのうえでの週末の指導となるわけだが、そこで重要なのは情報共有の正確さとスピードだという。週末の練習に誰が参加し、どんなメニューを行ったのかを週報に記入し、副教頭と顧問教員で共有、何かあれば即座に対応できるような体制を取っている。

持続可能な部活動のあり方についてさまざまな可能性を探る

「現状のままでは学校部活動を持続することは難しい。教職員の負担を減らしながら、子どものスポーツ機会をつくっていくことが必要となる中で、持続可能な部活動のあり方について試行錯誤しながらさまざまな可能性を探っていきたいと考えています」と話すのは、横浜市教育委員会事務局小中学校企画課の根岸淳氏だ。

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