横浜市「部活の地域移行」で実践研究、「受け皿や人材確保」で企業にも好機 リーフラスは全国延べ684校で部活支援の実績

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「今は、インストラクターの方が動き方の基礎などを教えてくれていて、指導法や声かけの仕方など学ぶことも多い。試合に勝ちたいという思いも必要ですが、しっかり基本を学びながら生徒が『高校でもバドミントンをやりたい』『運動は楽しい』と思ってもらえるような部活動にしていきたいと考えています」

太田彩貴(おおた・さき)
横浜市立鴨志田中学校 バドミントン部顧問

指導者の確保と、安全な指導をどう実現するか

こうした部活動の地域移行を実現するうえでカギを握るのが、指導者の確保と育成だ。その点で地域や民間のスポーツクラブには大きな期待が寄せられている。

横浜市の実践研究で、鴨志田中と同じく市内にある橘中と合わせて2校5部活の指導を受託しているのが民間企業のリーフラスだ。スポーツスクールを運営する同社は、13年に部活動支援事業を開始。名古屋市立小学校262校をはじめ、埼玉県戸田市や大阪市、渋谷区などの小・中学校・高校延べ684校で部活動支援の実績がある(文化部も含む22年4月現在)。

リーフラスでは、競技経験や専門知識を持ち、かつ指導力のある人材をどう確保しているのだろうか。関東支社 副支社長の川名浩之氏はこう話す。

川名浩之(かわな・ひろの)
リーフラス 関東支社 副支社長
(写真:リーフラス提供)

「大学生や定年退職後の教員、元競技者など、基本的には地域の人材にご協力いただいているほか、各競技の協会を通し、登録指導者の公募もしています。いちばん大事なのは安全面に配慮した指導を行うこと。応募者と面談し、お願いすると決まったら、安全研修を実施しています。そこでは応急処置や熱中症対策をはじめ、危険物の確認・除去や点呼の仕方、緊急時の対応も学びます。この安全研修を毎月行うなど独自の安全基準を設けており、結果的に創業以来大きな事故もなく運営できています」

応募者の中には、子どもを指導した経験がない人もいる。そこで安全研修に加えて、自社で運営しているスポーツスクールに参加してもらうのだという。

「小さな子どもと中学生では伝え方の工夫は必要ですが、指導の根本は同じ。一人ひとりの特性や技術に合わせた声かけを行い、承認欲求を満たしてあげることが必要です。スポーツスクールで子どもへの接し方を学んでもらい、『認めて、褒めて、励まし、勇気づける』という当社の指導方針を共有したうえで指導者を送り出しています」

徳永将太郎(とくなが・しょうたろう)
リーフラス 関東支社 神奈川第一支店 第一グループ クルー
(写真:リーフラス提供)

横浜市で社会人向けのバドミントン教室の講師を務める徳永将太郎氏も、その1人だ。市のバドミントン協会を通じて応募し、現在は実践研究に参加している橘中でバドミントン部の週末の指導を担当している。

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