有料会員限定

中国経済のV字回復は望み薄、緩慢なU字回復に 最悪期は脱したが、コロナ次第で再び暗雲も

✎ 1〜 ✎ 355 ✎ 356 ✎ 357 ✎ 最新
拡大
縮小

中国の景気回復は緩やかなものになりそうだ。ゼロコロナ政策が回復を妨げるリスクもある。

上海では約2カ月間、厳格なロックダウンをしていたが6月1日に解除された(写真:ロイター/アフロ)

中国経済は第2四半期(4〜6月)に入って失速した。政府がゼロコロナ政策を継続することによって、甚大な経済的影響が広がっている。上海では3月末に事実上の都市封鎖が行われ、6月1日にようやく封鎖が解かれた。北京などほかの主要都市でも4〜5月は経済活動の制限がなされた。

4月の小売売上高は前年比11%減、工業生産は同3%減となった。4月の銀行の貸出増加額は前年の半分にも満たず、個人向け貸出残高は4月としては初めて減少を記録した。もっとも中国全土で感染は落ち着いてきており、景気の最悪期は過ぎたとみられる。

国内需要を刺激しインフラ投資を強化

政府は景気浮揚に躍起だ。4月末の共産党中央政治局会議は、今年の経済成長の目標である5.5%前後の実現に努めるとした。しかし現実には、第2四半期の成長失速が不可避な中、通年での5.5%成長は達成困難との見方が大勢となっている。

次ページV字回復は望めない3つの理由
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内