中国の景気回復は緩やかなものになりそうだ。ゼロコロナ政策が回復を妨げるリスクもある。
中国経済は第2四半期(4〜6月)に入って失速した。政府がゼロコロナ政策を継続することによって、甚大な経済的影響が広がっている。上海では3月末に事実上の都市封鎖が行われ、6月1日にようやく封鎖が解かれた。北京などほかの主要都市でも4〜5月は経済活動の制限がなされた。
4月の小売売上高は前年比11%減、工業生産は同3%減となった。4月の銀行の貸出増加額は前年の半分にも満たず、個人向け貸出残高は4月としては初めて減少を記録した。もっとも中国全土で感染は落ち着いてきており、景気の最悪期は過ぎたとみられる。
国内需要を刺激しインフラ投資を強化
政府は景気浮揚に躍起だ。4月末の共産党中央政治局会議は、今年の経済成長の目標である5.5%前後の実現に努めるとした。しかし現実には、第2四半期の成長失速が不可避な中、通年での5.5%成長は達成困難との見方が大勢となっている。
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