「離島で闘える医者」育成機関を設立した理由 医師不足解消に向けた「解決策」となるのか?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

あとゲネプロのスタッフとかゲネプロの指導医が現場に行って、現場で悩みを聞いたり指導したりっていう「クリニカルビジット」の3本柱がある中で、あとは勤務しながら勉強する。

指導医から直接指導してもらうのはお任せですけど、1年間で身に付けてもらいたいようなスキルの一覧を作ってあるので、できるだけそれを経験してもらえるように、病院のほうには提示していますけどね。

オーストラリアは、総合診療学会っていう老舗の学会があって、そこは3年間で総合診療専門医を取った後に1年間、 2階建てで1年間へき地医療のトレーニングコースとかがあって、なので、3年専門医やってから1年間、へき地の専門医を取るっていうプログラムを見て、もうこれだなと思ったので、1年にしただけなんですよね。

でも最初は、3年にしようと思ったんですよね。3年にしたら誰も来ないんじゃないかなと思ったのと、3カ月でもいいかなと思って3カ月としたら、病院側としては4・5・6月だけいても、あと誰もいないっていうのも、受け入れ側も大変なんで。なんか1年単位がいいかなって。

ゲネプロが大切にしている、クリニカルビジット(現地訪問)とは?

ゲネプロは、齋藤さんとともにゲネプロを立ち上げたメンバーの1人である矢田透さんが、ゲネプロの指導医と共に定期的に研修先の病院を訪れ、目標設定の見直しや意見交換、メンタル面のサポートなどを行う「クリニカルビジット(現地訪問)」を行っている。

——クリニカルビジットの役割とは何ですか?

矢田 いちばん初めっていうのは、病院と研修医の間に入るということだと思うんですね。ですから、やっぱり面と向かってとか、普段、生活を一緒にしてる者同士の中で言いにくいこと、それを私たちが聞いて、1年間満足できるようにサポートしていくという。だから 不満だとか、そういうことを代行するみたいな役割が非常に強いと思うんですけども。

ただ、現実に病院が彼らに不満を持ったり、彼らが病院に不満を持つってことは、非常に少ないケースなので。

やっぱりメールとかだけではできにくいこと、実際に会って、そこで飲んでみたりもそうですけども、何かこう一緒にこうやっていく。その病院と共に、一緒に研修医を育てていくんだという、その信頼関係をつくることが、クリニカルビジットの1つの役割というところがありますね。

ゲネプロの指導医(左)と共に、大井田病院の院長(右)と意見交換を行う矢田透さん
病院側の受け入れ体制はどうなっているのか。2人の医師が、ゲネプロのプログラムを受講している高知県宿毛市の大井田病院(院長 田中公章さん)では、360度評価という形でフィードバックを行っている。

——なぜ、360度評価を行っているのですか?

田中 僕たちがそれぞれの先生を客観的に評価できると思ってないわけで、それを現場で働いているすべての部門のトップの方に、彼らを全部、評価してもらっています。コミュニケーションとか指示とかフットワークとか全部、一通り入っています。結構、的確ですね。僕たちが見て、なるほどっていう、知らなかったっていう面もありますから。これは続けていけばいいと思います。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事