eラーニング(e-learning)を学校教育の中で使用するメリットとは?

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実践の場を提供することが困難
実技や実習など、実践が求められる技能については、eラーニングだけでは習得が難しいことがあります。

これらのデメリットへの対策として、eラーニングと対面授業を組み合わせたハイブリッド型の学習形態をデザインするなどの工夫が挙げられます。

生徒側のeラーニングのメリット・デメリット
生徒側のeラーニングのメリット・デメリット

eラーニングの教師側のメリット・デメリット

教師側のメリット

教室以外で学習機会を提供
上述の「時間と場所を問わず学習できる」ことは、教師にとってもメリットになります。この特徴により、長期欠席者や休校下における自宅待機者に対しても学びを提供できます。

ペーパーレス化
コンテンツは電子媒体であるため、紙への印刷が不要です。そのため、印刷・配布・回収の手間が省けるほか、印刷費の削減や環境への配慮にもつながります。

学習状況を管理
生徒の学習履歴やテスト結果、課題の提出状況などを管理できます。手作業で入力する手間が省けることに加え、生徒の学習状況に合わせたきめ細かな対応につながります。

教師側のデメリット

リアルタイム情報の欠如
生徒が教室以外で学習する場合、リアルタイムのやり取りが少なくなりがちです。生徒の表情や口調などから得られる情報が欠如するため、生徒の心情などを汲み取ることが難しくなります。

新たなスキル習得の必要性
従来と異なる学習形態となるため、eラーニングを活用するためのスキルが求められます。

プラットフォーム提供型では、LMSの仕様を知り、それに合わせたコンテンツ制作や管理方法を習得する必要があります。

コンテンツ提供型のeラーニングを教室で利用する場合、教師にはティーチングよりもコーチングやファシリテーションのスキルを求められがちです。

eラーニングのこれまでの歴史と潮流

eラーニングのこれまで

eラーニングは2000年代前半から国内で知られるようになり、PCの普及と通信技術の発展とともに進化してきました。とくに、インターネットで普及した技術が取り入れられています。

コンテンツ
インターネットで扱われる媒体と同じように、コンテンツも動きのあるものに推移しています。かつては静止画のいわば紙芝居だけだったものに、音声が加わり、さらに現在は動画が主流となっています。また、生徒の操作に合わせて反応する動的コンテンツも、より表現豊かなものになっています。

制作の視点でも、一般人によるコンテンツ制作であるUCC(User Created Content)が普及しており、スライドなどから簡単にコンテンツを制作しやすくなっています。

コミュニケーション
かつては掲示板が主流でしたが、しだいにチャットによる議論や、いわゆる「グッドボタン」による生徒のリアクション取得など、コミュニケーションの幅が広がっています。

学習ログ
保存できるデータ容量の増加に伴い、学習の状況をより細かく取得できるようになってきています。例えば、従来の学習の進捗に加え、動画の再生・停止・早送りなどといった児童生徒の操作も保存できることなどが挙げられます。このような学習ログを分析し、ドロップアウトの兆候の把握や、コンテンツ改善などに活用する動きもあります。

eラーニングの種類と市場規模

プラットフォーム提供型

プラットフォーム提供型はこれまでは企業・大学向けが中心でしたが、小学校から高校向けのものも普及しつつあります。クラスを起点に管理やコミュニケーションを取りやすく、小学校・中学校・高校に適用しやすくなっている点が特徴的です。

コンテンツ提供型

コンテンツ提供型は内容の進化・多様化が目覚ましく、生徒向け、社会人向けの双方でさまざまなサービスが提供されています。

児童・生徒向けには、個別最適な学びを支援するサービスが普及し始めており、個人だけでなく学校でも利用されつつあります。学習指導要領に合わせて、アニメーションや予備校の有名講師による授業が学習できます。学年をまたいで学習できたり、つまずきがある箇所をAIで特定・復習を促したりと、従来のコンテンツに付加価値が提供されている点が特徴的です。

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