eラーニング(e-learning)を学校教育の中で使用するメリットとは?

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近年、eラーニングという言葉を耳にする機会が増えた方もいるかと思います。簡単に説明すると塾や学校などで席に着いて学習するものとは異なり、インターネットを通して学習を進めるものですが、具体的にどのようなことなのか理解している方は少ないと思います。今回は、学校教育においてeラーニングを活用するメリットやデメリット、活用方法などを解説していきます。

eラーニングとは?

「eラーニングとは、情報技術によるコミュニケーション・ネットワークなどを活用した主体的な学習」です。

今やネットワークを利用した学習方法は多岐にわたります。例えば、オンライン会議ツールによるオンライン授業、YouTubeによる動画学習なども登場していますが、これらはeラーニングに区分されないこともあります。ここでは区分を明確にするために、伝統的なeラーニングの特徴を挙げます。

・時間と場所を問わず学習できる
・繰り返し学習できる
・学習者(児童生徒)の学習状況を管理できる

出所:経済産業省商務情報政策局情報処理振興課『eラーニング白書 2007-2008年版 」 2007 東京電機大学出版局

以降、これらの特徴を持つものを狭義のeラーニングととらえ、そこに焦点を絞って説明します。

eラーニングの提供形態

eラーニングベンダー*1は、次のいずれか、または融合した形でeラーニングを提供しています。

・プラットフォーム提供型
・コンテンツ提供型*2

*1eラーニングを提供する企業や組織
*2ここでのコンテンツとは、テキスト教材、動画教材、テストなどの学習の素材を指します

プラットフォーム提供型

eラーニングベンダーが、LMS(Learning Management System:学習管理システム)を提供する形態です。LMSの代表的な特徴は次のとおりです。

・教師や管理者が、生徒や学習状況、コンテンツ、提出課題を管理できる
・教師などが制作したコンテンツを登録して利用する
・生徒はPCやスマートデバイスなどの端末上のWebブラウザーまたはアプリにログインして学習する
・教師と生徒間、生徒同士でのコミュニケーションを行うことができる
・利用者は学校や企業などの組織内部に限られることが多い
・大学や企業・官公庁などでの利用が中心だったが、2020年ごろからは小学校・中学校・高等学校でも広まりつつある

 

コンテンツ提供型

eラーニングベンダーが、コンテンツを提供する形態です。代表的な特徴は次のとおりです。

・教師や管理者は、生徒の学習状況を管理できる
・個人での利用が多いが、2020年ごろからは小学校・中学校・高校でも広まりつつある
・2020年ごろからは、コンテンツ提供に加え、AI(Artificial Intelligence:人工知能)による学習支援の機能なども提供され始めている

 

eラーニングの児童・生徒側のメリット・デメリット

児童・生徒側のメリット

時間と場所を問わない学習
PCやスマートデバイスなどの端末とネットワーク環境さえあれば、eラーニングで学習できます。学校だけでなく自宅に加え、通学途中などの隙間時間でも学習できます。

文字以外のコンテンツによる学習
コンテンツには、文字だけでなく、マルチメディア(画像・音声・動画)を利用できます。その結果、文字ベースの教材に比べ、より具体的・直感的な理解につながります。

苦手箇所の復習が容易
同じコンテンツを繰り返し学習できるため、苦手な箇所などを重点的に復習できます。近年では、AIを活用してつまずいた箇所を特定し、学年をまたがって再学習できる仕組みもあります。

生徒側のデメリット

モチベーションの維持が困難
リアルタイムの授業と比べると受動的な学習になりがちで、学習から離脱(ドロップアウト)してしまうことも多いです。

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