「1番を目指す」と語る細見社長だが、王者セブンの背中は遠い。首位奪還に向け、ファミマが乗り越えるべきハードルとは。
2022年3月で、ファミリーマートの細見研介社長は就任から1年を迎えた。親会社の伊藤忠商事では、岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)の「懐刀」と呼ばれ、小売り関連のグループ会社を束ねる「第8カンパニー」のトップを務めてきた。
2020年に伊藤忠によるTOB(株式公開買い付け)で非上場化したファミマは、細見社長の指揮のもとで業界トップのセブン‐イレブンを追いかける。しかし国内店舗数、1店舗当たりの1日の売上高を示す平均日販はともに、セブンがファミマを1.3倍上回る。営業利益では約3倍の差だ。「王者セブン」にどう対抗していくのか。細見社長を直撃した。
――コンビニ業界1位のセブンに対して「勝ち」を狙っていますか。昨年10月には「そろそろ、No.1を入れ替えよう」と、広告で打ち出していました。
コロナ禍で多くの人が呻吟している中、元気をもって前に進むためにも、2番というわけにはいかない。だから、1番を目指す。
ただ、「何をもって1番とするのか」は問い直す必要がある。コロナ禍の2年間で、今まではよいと思われていたものがそうではなくなるなど、「消費者の哲学」は世界的に大きく変わった。また、大量生産・大量消費は見直され、SDGs(持続可能な開発目標)の理念が浸透してきている。
これら2つの流れが相まって、世の価値観は変わってきている。その中での1番とは何なのかという模索をスタートさせている。
「飽和だ」というのは無責任な指摘
――一方で国内にはコンビニが5万6000店もあり、「市場は飽和している」とも言われます。
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