セブン、米ファンドとまったく噛み合わない応酬 要望には「ゼロ回答」、百貨店売却の次の焦点は

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米バリューアクトの辛辣な公開質問状に実質ゼロ回答。そごう・西武の売却が実現しても火種がくすぶる。

百貨店のそごう・西武や総合スーパーのイトーヨーカ堂について、米バリューアクトは「グループ内のシナジーが限定的」と評した(左撮影:今井康一、右編集部撮影)

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「必要であれば社外取締役を含めて株主としっかり対話していくということをお示しした。株主との対話はこれまでもしっかりやってきた」。2月3日夜、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、自宅前に詰めかけた記者たちにそう答えた。

アメリカの投資会社であるバリューアクト・キャピタルからセブン&アイが公開質問状を突きつけられたのは1月26日のこと。質問状の中でバリューアクトは要望を2つ出していた。

1つ目はセブン&アイの社外取締役による機関投資家へのヒアリングだ。20~30の主要機関投資家から現経営陣に対する意見を聴くことを希望した。2つ目は社外取締役からなる「戦略検討委員会」の設立。事業部門売却などを検討したうえで、4月末に提言を公表するように求めた。

セブン&アイは質問状を受け取ってから8日後となる2月3日の取締役会で協議。バリューアクトが設定した回答期限どおりに会社の見解を公表したが、2つの要望には直接の回答を避けた。井阪社長は「そんなことはない」と否定したが、実質“ゼロ回答”といえる。

バリューアクトの辛辣な質問状

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