「免罪符」に使われる第三者 EY新日本に集中する訳
2020年1月から21年12月までの2年間に第三者委員会の設置を公表した上場会社のうち、会計処理に関連して設置したのは合計53社に上った(一覧表参照)。集計を通じて浮かび上がったのは、第三者委員会の「もう1つの顔」とでもいうべき問題含みの側面だ。
報酬額もさることながら、一覧で目立つのは大手監査法人の監査先の多さだ。中でもEY新日本監査法人は17社と突出している。次いで多いのはトーマツだが、社数はEY新日本の半分以下の8社。あずさは6社で、その次に多いのは準大手筆頭格の太陽で5社だった。PwCあらたは1社のみにとどまった。
最も注目に値するのは、EY新日本の監査先で調査委員会を設置した17社のうち、半数以上に当たる9社で公認会計士の井上寅喜氏が委員に就任している事実だ。前記事で触れたサクサホールディングス、OKKはいずれもEY新日本の監査先で、井上氏が委員に就任している。
井上氏は18〜19年にもEY新日本の監査先である日鉄鉱業とファルテックで調査委員を務めている。
では、井上氏とはいったい何者なのだろうか。
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