「第三者委員会」何が問題か 不正調査ビジネスに群がる専門家たち
不正や不祥事を起こした企業が設置する「第三者委員会」。監査法人とのいびつな関係が浮き彫りになっている
データ偽装、横領など社員らによる犯罪、パワハラ、そして不適切な会計処理──。
企業で不正や不祥事が発生すると、今や必ずといっていいほど外部有識者からなる「第三者委員会」が設置される。委員に就任するのはたいてい弁護士や会計士で、会社側が彼らに支払う報酬は多くの場合、億単位になる。平時に監査法人に支払っている年間の監査報酬の数倍から十数倍の金額だ。
第三者委員会については、日本弁護士連合会が委員の独立性確保など、そのあるべき姿をガイドラインとしてまとめ、2010年に公表している。だが、近時は同ガイドラインに準拠せず、「特別調査委員会」や「社外調査委員会」など「第三者」を名乗らないケースが増えている。このため、本記事では外部有識者を起用した調査委員会全体を、いわゆる「第三者委員会」として扱った。
2年間で53社が設置
第三者委員会が経営者には責任がないとする報告書を書いてくれれば、その報告書が「免罪符」となって、経営責任を取らずに済む。企業や経営者のそんな思惑に沿った報告書を書き、荒稼ぎする弁護士や会計士は、もはや「第三者委員会ビジネス」を展開しているといっていいかもしれない。
そうした負の側面も指摘されている第三者委員会だが、過去2年間に上場会社が設置した事例を細かく見ていくと、企業や経営陣と結託しているイメージとは異なる姿が浮かび上がる。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら