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「海上物流の正常化に全力 ロシアリスクは限定的」 橋本 剛 商船三井 社長

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はしもと・たけし 1957年生まれ。82年京都大学文学部卒業後、大阪商船三井船舶入社。LNG船部門が長く、カタールガスプロジェクトやインド初のLNG輸入プロジェクトに従事。2021年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)
コロナ禍による物流の混乱は、図らずも海運業界に多額の利益をもたらしている。とりわけ海上コンテナの運賃は空前の高値を記録し、商船三井の2022年3月期連結純利益は、過去最高の6300億円に達する見通しだ。橋本剛社長に事業環境や経営課題について聞いた。
(インタビューは2月16日に実施)

2022年3月期の予想連結純利益

持ち分法コンテナ船企業が運賃高騰で空前の利益を稼ぎ出し、2008年3月期以来の最高益更新へ。1株配当も前期比7倍の1050円に。

──空前の利益の背景で何が起きているのでしょうか。

さかのぼると、00年代は中国の“爆食経済”もあって世界中で荷動きが大幅に拡大し、大量の船が建造された。ところが08年のリーマンショックをきっかけに状況が一変し、海運業界では供給過剰による業績悪化が続いた。当社も長らく苦しい時代が続き、コンテナ船事業を他社と統合するなどの構造改革を進めてきた。

そうした経緯があって(20年に)コロナ禍が起きた。当初は荷動きが減るだろうと想定して船の保有数を減らしたが、世界規模での財政出動を契機に消費財の需要が急増するという、想定外の現象が起きた。その一方、感染防止対策として世界各地でロックダウンが実施され、港湾労働者やトラックドライバーの不足、コンテナの滞留といった物流の混乱が起きた。

──期日どおりに荷物が到着しないなど、顧客にも不利益が生じています。

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