パナソニック社長激白「車載電池は諦めていない」 ロングインタビューで語り尽くした期待と反省

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再成長の糸口を探すパナソニックだが、EV向けに需要拡大が続く車載電池は、巨額投資を打ち出す海外勢と比べ出遅れが目立つ。勝ち抜く戦略はあるのか。

楠見社長は巨額投資が必要な車載電池について、まずは生産ラインの稼働を軌道に乗せる必要があるとの認識を示した(左写真:ヒラオカスタジオ撮影、右写真:尾形文繁撮影)

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なぜ競争力が低下したのか――。
かつてのライバルだったソニーが過去最高の売上高を更新する一方、過去に目標としていた売上高10兆円に届かず、約30年にわたり業績が停滞しているパナソニック。2021年4月にCEOに就いた楠見雄規社長は、会社を成長路線に戻すにはどうすればいいか自問自答を続けている。
2022年4月1日には持ち株会社へ体制を移行し、社名もパナソニックホールディングスに変更する。組織構造を変え、競争力を復活させられるのか。
世界シェア3位の車載電池事業に対する投資方針、車載機器をはじめとする不採算事業の今後の方向性などについて楠見社長に聞いた。

課題は根源的なところにある

――2021年に約7800億円を投じてアメリカのソフトウェア企業、ブルーヨンダーを買収しました。過去に行った巨額買収や巨額投資では結果を出せませんでしたが、再成長の起爆剤にできるのでしょうか。

30年間成長できておらず、投資家に心配をかけている。ブルーヨンダーだけで成長軌道に乗せられるわけではない。

これまでもパナソニック電工(旧松下電工)や三洋電機を買収したほか、(車載事業向けなどに)1兆円の戦略投資を行った。ただ、チャレンジはうまくいかなかった。前任者を否定するかのように聞こえてしまうが、会社の体質を基礎から構築し直すことが必要だ。

ブルーヨンダーの買収も長期スパンで体質を変えるためだ。短期的に売り上げの成長に寄与するものではない。それでも、将来の競争力強化のために必要なものはいま手に入れないといけない。

営業利益率や販売などの数値目標はわかりやすい。しかし、それ(短期的な数値目標を出すこと)で何回も失敗してきた。課題はもっと根源的なところにある。そこに向き合っている今は、言い訳がましいが長い目で見てほしい。

――2020年5月にブルーヨンダーへ20%出資しましたが、その後同社の評価額はさらに上がり、もっと早く決断すれば買収金額を抑えられたとも言えます。決断の遅さや、長期目線での事業運営が悪影響を及ぼしていませんか。

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