メタとグーグルで明暗、潮目変わったネット広告 「フェイスブック」が苦戦強いられる2つの真因
1日で約26兆円分の時価総額消失を招いたメタの決算発表。背景には、同社が主力の広告事業で受ける「2つの逆風」がある。
SNSの世界最大手、アメリカのフェイスブック改め「メタ」の決算は、同社が直面するかつてない逆境を示すものとなった。
メタの2021年10~12月期決算は、売上高が前年同期比20%増の約336億ドル(約3兆8000億円)となったが、純利益は8%減の約102億ドルで着地した。主力アプリ「フェイスブック」の1日当たりユーザー数は19億2900万人と、前四半期比で100万人減。創業以来初めての減少だ。
「インスタグラム」や「メッセンジャー」、「ワッツアップ」も含めた同社アプリの1日当たり総ユーザー数は28億2000万人と同100万人増えている。が、過去2年は四半期ごとに500万~1000万人のペースで増えてきただけに、頭打ち感は否めない。
1日で約26兆円の時価総額が消えた
一方で2021年10月に発表した仮想空間「メタバース」へ積極投資する姿勢は崩さない。主力のVR(仮想現実)ヘッドセット「メタクエスト2(旧オキュラスクエスト2)」に加え、今年後半には高価格帯の新型機の発売も予定する。
メタは今回の決算からVRやAR(拡張現実)の事業の業績を「リアリティーラボ」というセグメントで開示。2021年10~12月期は33億ドルの営業赤字で、これが全社の減益要因となった。通年では101億ドルまで赤字が膨らんだ。
メタは2022年1~3月期の売上高について、前年同期比で3~11%増との予想を示したが、アナリスト予想の約15%増を下回る数字に株式市場は落胆。決算発表翌日の2月3日には同社の株価は前日比20%以上下落し、1日にして約26兆円もの時価総額が吹き飛んだ。これだけの時価総額消失は米国史上最大とみられる。
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