400年続く屋形船主人が訴える水都復権の急所 防災時の活用に余地、求められる治水との両立

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東京都の水辺再開発に強い関心を寄せているのが、江戸時代から営々と続いてきた屋形船業界だ。舟運活性化に何が足りないのかを聞いた。

三浦屋7代目主人の新倉健司氏。「われわれは船で働いているのではなく、船と生きている」と語る(記者撮影)

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「春の夜や 女見返る 柳橋」
正岡子規が詠んだように、台東区の浅草橋、柳橋界隈は、江戸中期から船宿が並ぶ花街として賑わっていた。ここで江戸初期から400年にわたって船宿を営むのが三浦屋だ。
三浦屋は今では屋形船「大江戸丸」など5艘を運航する。屋形船業界は桟橋の使用や係留の権利をめぐって「既得権者」と名指しされることも多い。
舟運活性化に向けて何が必要なのか。三浦屋7代目主人の新倉健司氏に聞いた。

活性化に「物理的な制約」

――日本橋川、神田川界隈で水辺の再開発が進んでいます。再開発によって東京の舟運は活性化すると思いますか。

日本橋川は船が航行するには難しい。僕も船を壊しながら20年間、1000万円の損を出して勉強したが、(日本橋川の)橋梁は高さがまず低い。日本橋の上流に一石橋があって、これが特に低い。大きな屋形船がここから上流にいくのは難しいだろう。

三菱地所によって大手町の鎌倉橋付近が再開発され、桟橋も設置される予定だが、航行できる船は限られる。

神田川では逆に干潮時に浅くなり、プロペラ(スクリュー)で動く船の航行が難しい。特にネックになるのが万世橋付近だ。万世橋は地下鉄銀座線の旧万世橋駅が地下にあって、橋の下にトンネルが走っている。ここの川底が浅くなっている。

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