下馬評を覆すみずほのトップ人事 ｢出直し｣の茨道

年末年始もシステム障害が発生しており、次期社長の背負う課題は多い。

1月17日の会見で質問に答える次期社長の木原執行役（中央）。社外役員の取締役会議長、指名委員長も説明を行った（撮影：今井康一）

「新社長の名前は聞いたことがない。少なくとも、若い頃からトップ候補だった人ではない」。みずほフィナンシャルグループ（FG）のOBはそう口にした。

みずほFGは、2021年2月以降にシステム障害を頻発させ、金融庁から2度の業務改善命令を受けた。これを受けて昨年末に坂井辰史社長が引責辞任を決めており、1月17日の当局への業務改善計画提出と併せて、今回、社長人事が発表された。

新社長に就くのは木原正裕執行役（56）。1989年に日本興業銀行に入行し、みずほ銀行のリスク管理部門やみずほ証券の企画部門に勤めた。現在はみずほFGでM＆Aなどを担当するグローバルプロダクツユニット長を務めている。メガバンクでは初の平成入行の社長となる。

坂井氏の辞任発表以後、後任候補について、さまざまな臆測が飛び交っていた。みずほFGの今井誠司副社長や梅宮真CFOらの内部昇格のほか、みずほOBでオリエントコーポレーションの社長を務める飯盛徹夫氏ら、外部招聘もあるという見方もあった。