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大正大学地域構想研究所教授 小峰隆夫(こみね・たかお)1947年生まれ。東京大学卒業。経済企画庁経済研究所長、物価局長、調査局長、国土交通省国土計画局長などを経て、2020年4月から現職。日本経済研究センター理事・研究顧問も務める。著書に『人口負荷社会』『日本経済論の罪と罰』『政権交代の経済学』など。(撮影:尾形文繁)
平成の経済を振り返る本を書いたとき(『平成の経済』日本経済新聞出版、2019年)、気がついたことがある。1つは、戦後の昭和時代と平成時代との違いである。昭和時代は、多くの困難に直面しながら総じてうまく切り抜け、多くの人が予想もしなかった経済発展を遂げた。高度成長を実現し、2度の石油危機やプラザ合意後の円高といったショックを乗り越え経済力を高めていった。
ところが平成時代は、次々に現れる課題をうまく処理できず、予想外の厳しい状況に陥った。バブル崩壊と不良債権問題、アジア通貨危機と金融危機、デフレの進行、人口減少といった課題への対応を迫られ、現在に至るまで解決していないものもある。
もう1つ気づいたのは、平成時代は、社会的認識ラグが大きかったことだ。経済が大きな課題に直面したとき、有効な政策を実現させるためには、社会全体がその問題の深刻さを認識する必要がある。
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