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「生産的政府支出」とは何か 民間企業の生産性を高め、経済成長に貢献

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東京財団政策研究所上席研究員 早川英男(はやかわ・ひでお)1954年生まれ、愛知県出身。東京大学経済学部卒。米プリンストン大学経済学大学院にて修士号取得。77年日本銀行に入行後、長年にわたって主に経済調査に携わる。調査統計局長、名古屋支店長、理事などを歴任し、2020年4月から現職。著書に『金融政策の「誤解」』。(撮影:梅谷秀司)

在日英国人エコノミストのデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)は最近、「生産的政府支出」の増強を訴えている。これは、民間企業の生産性を高め、経済成長に貢献するような政府支出のことであり、内生的経済成長理論にも登場する概念だ。潜在成長率を高める政府支出という意味では、ワイズスペンディングとほぼ同義といえよう。

問題は、何が生産的政府支出かである。昭和の東京オリンピックの頃は、首都高速道路や東海道新幹線などの交通インフラ整備が高度成長に大きく貢献した。多くの新興国では、現在も同様だろう。だが現在の日本で、利用者の少ない地方の高速道路や新幹線を新設・延伸しても大きな経済効果を期待できないことは明らかだ。

これに対し、現代の経済成長研究で注目されているのが、無形資産投資や人材投資の重要性である。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の躍進が鮮やかに示すように、先進国で成長を主導するのはソフトウェアやデータなどの無形資産であり、それを生み出す人材である。しかも、情報や技術は外部性の大きな準公共財だから、これらの蓄積には政府が大きな役割を果たすべきだ。

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