マンションの住民や理事会にとって管理をめぐる悩みは尽きない。コロナ禍で生じた新たな問題や大規模修繕など最新のトラブルを追った。
「理事会の世代間抗争には疲れ果てた」――。
東京・江東区のタワーマンションで理事を務める田中篤美さん(仮名、40代)は、ため息交じりにこうつぶやいた。田中さんのマンションでは、約20人の理事の間で“いがみあい”が絶えない。
「理事会でよくもめるのは、修繕箇所の優先順位。子育て世代の理事と高齢理事のグループの間でなかなか折り合いがつかない」(田中さん)
例えば、駐車場からタワー棟までのひさしの設置。3年ほど前、「雨の日に小さな子どもや買い物の荷物を抱えながら傘を差すのは大変なので、10メートル程度のひさしをつくってほしい」との要望が、相当数の子育て世代の住民から理事会に寄せられていた。
理事会で話し合い、若手理事らが区役所に何度も足を運び、ひさし部分は建築面積に含まれず建ぺい率が変わらないことを確認するなど、細かな準備も着々と進めていた。
年配理事の大反対で話が頓挫
だが、工事の見積もりを取る段階になって、年配の理事らが反対し始めた。
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