生鮮食品に強みを持つ北陸地盤のドラッグストア「ゲンキー」。スーパーからも客を奪い、成長を続けている。
精肉や惣菜を自社で取りそろえ、業界で「異端児」と呼ばれるドラッグストアが北陸にある。福井県に本社を構え、北陸や愛知などを中心に出店する「Genky DrugStores(以下、ゲンキー)」だ。売上高に占める食品の割合は6割超と、業界内で最も高い。
ゲンキーの2021年6月期の売上高は前年比15.2%増の1423億円、営業利益は同45%増の62億円だった。売上高はドラッグストア業界で上場する13社のうち11番手にとどまるが、売上高成長率はトップクラスだ。同社の戦略や、同じく食品の品揃えを強みとする競合他社、さらにはスーパーマーケットとの競争環境をどうみているのか。藤永賢一社長に話を聞いた。【2021年10月14日10時20分追記】初出時の出店地域の表記を一部修正いたします。
――競合他社を凌ぐ勢いで、成長を続けています。
2019年8月から、日替わりの特売をせず、毎日低価格で商品を販売するEDLP(Everyday Low Price)を開始した。ただし(販促費を減らすために)チラシもやめたため、商品を毎日安く買えることが、客に伝わっていなかった。2020年1月くらいまでEDLPが浸透せず、困っていた。
ところが2020年2月あたりから新型コロナウイルスが流行して、巣ごもり需要が発生した。すると店舗に客が来て、「あらゲンキーさん最近チラシ入ってないと思ったけど、安いじゃん」と気づいてもらえた。客に安い商品を提供することで、(買い上げ点数なども増え)、既存店の数字が他社と比較しても伸びている。
――EDLPを始めたことで、他にはどのような変化がありましたか。
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