パナソニック、テレビの「脇役」シフトが映す苦悩 シェア後退に苦しみ、生産合理化にもメス

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テレビのシェア低迷に苦しむパナソニック。コスト削減へ生産委託や工場集約などに踏み切るが、収益力向上への道のりは険しい。

都内の大手量販店のテレビ売り場。パナソニックの「ビエラ」は馴染みあるブランドだが、収益力の低迷に長年苦しんでいる。写真は2020年(記者撮影)

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6月の社長交代を経て、新体制への動きを一段と加速させるパナソニック。2022年4月の持ち株会社制への移行に向け、10月1日付で社内組織を大きく8つの事業部門に再編した。

白物家電や空調、電気設備にかかわる事業を集約した「くらし事業本部」が、持ち株会社化後は「パナソニック」の名称を引き継ぎ、約4兆円の売り上げ規模を持つ最大の事業会社となる。だが、この事業本部にはある家電が含まれていない。テレビだ。

シェア低迷の続くテレビ事業

「ビエラ」ブランドで知られるテレビやブルーレイレコーダーなどのAV機器はこれまで、パナソニックの主柱である家電事業部門内にあったスマートライフネットワーク事業が手がけてきた。同事業は今回の再編で「パナソニックエンターテインメント&コミュニケーション」に名称を変え、2022年4月から単独の事業会社となる。

家電事業の大半が最大の事業体となるくらし事業本部に移行する中、スマートライフネットワーク事業は切り出された格好だ。

10月1日に行われた会見で楠見雄規社長は「どの事業にも改善の余地はある」として、事業間での優劣をつけないよう、過去に同社が行っていた「基幹事業」などの設定は廃したと説明した。だが、パナソニックは今年に入って以降、テレビの生産体制縮小を本格化。テレビがパナソニック内で従来の位置づけから一歩後退しているのは確かだ。

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