密フェス「怒りを通り越し絶望した」音楽人の訴え どうすれば再開できる?業界団体の会長に聞く
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世間からの逆風が強まる音楽フェス。業界がリアルでの開催に向けて尽力する背景には、音楽の枠を超えるイベントとしての影響力があった。
野外音楽フェス「NAMIMONOGATARI2021」(愛知県)などのイベントで、観客がノーマスクで声を上げ、密状態で盛り上がっていた様子が取り沙汰された。一連の出来事によって、音楽フェスは「悪者」としてネット上で批判されるようになってしまった。有観客の開催も徐々に増える中での騒動だった。
そもそも、音楽フェスの開催にはどのような意義があるのか。音楽フェスの正常化に向けて、業界団体はどのように対応していくのか。ライブ開催を手掛けるプロモーターの業界団体、コンサートプロモーターズ協会の中西健夫会長に話を聞いた。
これまでの努力が台無し
――密フェス騒動に対して9月2日、音楽4団体で「密フェス」の主催者に対して抗議の声明文を発表しています。どういった思いがあったのでしょうか。
怒りを通り越して、絶望的な気分になりました。僕達は1年半、何をやってきたのだろうと。エンタメが「不要不急」のジャンルとされてしまっているからこそ、エビデンスに基づくガイドラインに沿ってライブをやってきたのに、なんなんだと思った。
政治や各自治体とも連携して、やれることはやってきたが、あのような密フェスがあると、これまでの努力が台無しになってしまう。だからすぐに声明文を作ったんです。
――最近でも、イナズマロックフェス(9月・滋賀県)の中止が発表されるなど、開催と中止が分かれる厳しい状況です。コロナ禍のフェスの状況について教えてください。
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