悪者扱いのフェスが音楽産業に欠かせぬ切実事情 近年は地域振興にも貢献、観客のモラルも課題

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

世間からの逆風が強まる音楽フェス。業界がリアルでの開催に向けて尽力する背景には、音楽の枠を超えるイベントとしての影響力があった。

「密フェス騒動」は、有観客での開催が増えてきた矢先の出来事だった。世間からのバッシングは強まり、フェス自体のイメージも低下してしまったようだ。写真はイメージ(撮影:尾形文繁)

特集「音楽フェスの悲鳴」の他の記事を読む

8月に開催された野外音楽フェス「NAMIMONOGATARI2021」(愛知県)などのイベントで、観客がノーマスクで声を上げ、密状態で盛り上がっていた様子などが取り沙汰された。

イベント主催者側は入場者数の制限など、コロナ感染対策を打ち出していたが、一部のファンの間でルールがまったく守られていなかった。こうした事態もあり、千葉市は9月に開催された「スーパーソニック」の主催者に延期や規模縮小を求めていたが、予定通りの開催としたため、後援を取り消している。

一連の出来事によって、音楽フェスは「悪者」としてネット上で批判され、出演したアーティストも非難されている。有観客でのライブ開催が徐々に復活しつつあった最中の騒動で世間の逆風は強まり、ライブ業界を揺るがす問題に発展しつつある。

復活に向け動いてきたが…

次ページスター誕生の起点
関連記事
トピックボードAD