有料会員限定

中国情報が正しく伝わらない日本 すべての情報が日本式に加工される

✎ 1〜 ✎ 319 ✎ 320 ✎ 321 ✎ 最新
拡大
縮小

新型コロナ対策、教育産業やIT産業への介入…。中国情報はなぜかくも曲解されてしまうのか。

中国政府による教育産業への介入は国民には支持されている。学習塾大手「新東方教育科技」の教室入り口(毎日新聞社/アフロ)

「新規感染者が1日5000人って、武漢の最悪期以上ですね。東京、大丈夫ですか?」

中国の友人からの指摘に頬を打たれたようなショックを感じた。武漢で医療崩壊が起きたとき、日本にとっては対岸の火事だった。ところが東京でも医療崩壊が現実になっている。しかも武漢の初期の失敗は無症状感染者を隔離できなかったこと。つまり日本は武漢から何も学ばなかったのだ。

日中を隔てる「河」は、少なくとも情報に関しては海溝のように深い。日本には正確な情報が伝わらない。その理由はすべての情報を日本式に加工する過程にあるのだろう。「独裁政権は不都合な問題を隠蔽する」「それ故、いつかダムが決壊するようにウミが大量にあふれ出す」。日本ではこうした「中国崩壊論」がいまだに支持されている。

届かない情報は武漢に限らない。中国が「新常態だ」とコロナ禍の収束と安定的な成長を宣言したにもかかわらず、日本では「曲がり角だ」「成長鈍化だ」と騒ぐ。そもそも中国のGDP成長の目標値は新規雇用需要からの逆算であって、数字は本当の意味での目標ではない。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内