出荷額は「10年で4割減」、複合機ビジネスの生存策 在宅勤務の拡大とペーパーレス化が逆風に

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縮小

ペーパーレス化に、コロナ禍による在宅勤務拡大が加わり、複合機ビジネスが苦境に立たされている。変貌を遂げつつある複合機ビジネスの「いま」。

オフィスでの印刷量が激減し、複合機業界は大打撃を受けた。写真は富士フイルムビジネスイノベーションの新製品発表会(撮影:風間仁一郎)

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ペーパーレス化による市場縮小に直面する複合機業界が、コロナ禍によって一層の苦境に立たされている。

モノクロ印刷機からカラー印刷機への置き換え需要もあったことから、2019年までは市場の縮小は緩やかなものにとどまっていた。そこに直撃したのがコロナ禍による在宅勤務の拡大だ。

オフィスへの出社減少は印刷量の激減に直結する。リコーによると、コロナの感染が急拡大した2020年4~5月のプリントボリューム(印刷量、PV)は、欧米で前年同期比5割超、アジア圏でも3~4割の大幅な減少となった。2020年の複写機・複合機の世界出荷額は前年比22%減の6547億円。2007年に1兆0600億円あった出荷額は、この10年余りで4割も減少している。

リカーリングモデルに限界

複合機各社は、2021年もPVはコロナ前の水準に戻らないと踏む。必要なのはビジネスモデルの変革だ。リコーの山下良則社長は「小手先の対応では乗り切れない」(2020年8月の決算説明会)と覚悟をにじませる。

これまで主流だったビジネスモデルは、複合機本体の料金を抑え、トナーや印刷用紙など消耗品を安定的に買ってもらう「リカーリングモデル」だった。ただ、印刷量が激減したことでこのモデルには限界が近づいている。

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