縮小傾向が続く複合機市場に新規参入した企業がセイコーエプソンだ。インクジェット技術をひっさげ、勝負を懸けようとしている。
学校で広がるインクジェットの裾野
――コロナ禍でもインクジェット複合機の販売を伸ばしました。
2021年3月期は販売台数で2桁成長を達成できた。インクジェット複合機は、熱を使わないため消費電力が少なく、環境性能が高い。また、レーザー複合機に比べて部品点数が少なく、定期的に交換する部品が少ない。
保守・点検にかかる時間が短くて済む。顧客にとっては稼働時間が長くなるため、競合他社の複合機に比べて生産性が向上する。こうした強みが市場に認められるようになったからこそ販売が伸びたと考えている。
――学校など文教市場向けに今年はすでに1000台以上導入されるなど販売が好調です。
もともとはプロジェクターの販売を通じて学校との関係を深めてきた。当社が高いシェアを誇るプロジェクターのビジネスは、その多くが文教向けだ。営業ルートや顧客からの信頼も確立されている文教市場であればインクジェット複合機を拡販しやすい。
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