日本最大のニュースメディアが岐路に立っている。その”公共性”をめぐり、沸騰する議論を追った。
「Yahoo!ニュース」のトピックス編集部やヤフー傘下のニュースサイト「THE PAGE」などで編集長を務め、1998年から約20年間、同グループに在籍した奥村倫弘氏。現在はメディア運営者の立場から離れ、東京都市大学教授としてインターネットメディアの可能性と諸問題を研究する。組織の内側、外側からヤフーニュースを見つめてきた同氏は、その変遷と今後に何を思うのか。
――1998年の入社から長きにわたり、ヤフーニュースに携わってきました。
ヤフーへの入社時は、カテゴリーの整備やサイトの登録などを行う「サーファー」という役職での採用だった。その当時はロボット型検索がまだ一般的でなく、そうした作業を人手で行っていた。その傍ら、現在のニューストピックス欄の原型のようなものもすでにあったので、その編集にも携わっていた。
入社した当初、ヤフーニュースではまだスポーツの記事などを扱っておらず、政治・社会といった硬いニュースだけを取り上げていた。ただ読者層を広げるためには、取り扱うジャンルを拡大したほうがいい。自分でそういう提案もしながら、エンタメなどの柔らかいニュースにまで徐々に取り扱い範囲を広げていった。
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