ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は3月16日、2020年の通期決算を発表した。この決算報告書から浮かび上がるのは、ドイツ車にとって中国市場の重要性がますます高まっている実態だ。
新型コロナウイルスの早期封じ込めに成功した中国では、20年後半から自動車販売が急回復。ダイムラー、BMWを含むドイツ3大メーカーの業績回復を後押しした。VWは20年に中国で380万台を販売。これは同社の世界販売の41%に相当する。同社の欧州、北米、南米での販売台数は19年より20%近く落ち込んだが、中国は9.1%減にとどまった。
外資系として最も早い1984年に進出したVWは、中国の乗用車市場で不動の首位の座を守ってきた。しかし近年、ドイツ系に日本メーカーが肉迫する。
ドイツ系乗用車の市場シェアは17年には19.6%と、日系乗用車に2.6ポイントの差をつけていた。だが直近の21年1〜2月のシェアはドイツ系が22.1%、日系が21.9%と差がほとんどなくなってきた。
「日本車がシェアを伸ばしているのは、中国で人気の高いSUV(スポーツ用多目的車)の品ぞろえが充実していることが大きい。20年は日系メーカーが得意とするHV(ハイブリッド車)の販売が好調だったことも追い風になった」。自動車業界団体の幹部は、そう分析する。
(財新記者:劉雨錕、包蕾、原文の配信は3月17日)
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