日本の「サンデン」を中国企業が買収 経営不振に陥っていたカーエアコンメーカー

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中国の家電大手、海信集団(ハイセンス)傘下の海信家電集団は3月1日、経営不振に陥っていた日本のカーエアコンメーカー、サンデンホールディングスの再建支援企業に選ばれたと発表した。214億円を投じ、サンデンの第三者割当増資を引き受ける。増資後は議決権の75%を有する。

1943年創業のサンデンの主力事業は、車載用エアコンのコンプレッサーや車載用空調システム。独立系サプライヤーであり、東証1部に上場している。主要顧客は欧州のステランティス(旧グループPSA)や米国のゼネラル・モーターズ(GM)などだ。

サンデンは2020年度第3四半期(4〜12月)決算で、純損益が168億円の赤字となった。コロナ禍による市場環境の激変に加え、電気自動車(EV)関連製品への先行投資や特別損失などが重なり、赤字が拡大した。

サンデンは20年6月に私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)制度の利用を申請して出資者を公募。25グループを超える候補の中から、最終的に海信家電集団が支援企業に決まった。

サンデンは車載用エアコンのコンプレッサーでは世界2位のシェアを持つ。海信家電集団は買収完了後、サンデンを核にして車載用空調分野への多角化を進める構えだ。

(財新記者:翟少輝、原文の配信は3月1日)

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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