プラットフォーム経済をいかに健全に発展させるかということは、中国にとって避けて通ることのできない課題である。『財新周刊』3月22日号の社論では、このテーマを取り上げている。
最近では、「国務院独占禁止委員会によるプラットフォーム経済分野に関する独占禁止指南」と「ネット商取引監督管理弁法」の施行や、テンセント、百度(バイドゥ)、美団(メイトゥアン)、DiDiなどのプラットフォーム企業大手に対する行政処分の決定などがあった。そのいずれもが、プラットフォーム経済への監督・管理体制が強化される時代が訪れたことを示している。
プラットフォーム経済の発展は今や岐路に立たされているといっていいだろう。企業が監督当局と歩調を合わせ、ルール作りと発展を両立させることができれば、プラットフォーム経済が新たなステージに上がる望みはある。しかしそれができなければ、プラットフォームと監督当局の対立は激化し、最終的には中国経済に打撃を与えるだろう。
プラットフォームは中国経済に大きなプラスの影響をもたらしたが、同時に負の側面も顕著になってきている。「大数据殺熟(新規ユーザーよりも高い金額を古くからのユーザーに提示する行為)」や「二選一(出店者に対して競合ECへの出店禁止を迫る行為)」など強い非難を受けている問題も、プラットフォームの成長とその優位性によってもたらされているものだ。
あの手この手で行われるネットプラットフォーム上の賭博や詐欺も、黙認されたまま今に至っている。プラットフォーム経済は本来、古い商業形態の「かせ」を打破するための存在であったが、今は正反対のものとなっているのかもしれない。
プラットフォームは大きいほどよいのか? 公平競争の原則は順守しなくていいのか? プラットフォーム経済の企業関係者は一種の優越感と特殊な考え方を持ち、自分たちの邪魔をする規則はすべて時代遅れのものであり、独占禁止規則やコーポレートガバナンスの基本原則などは気に掛ける必要がないと考えている。しかし環境はすでに変化しているのだ。
強監督(強力な監督体制)も必要だが、善監督(良質な監督体制)も欠かすことはできない。現在の監督体制はプラットフォーム経済のガバナンス改善のニーズを深刻なまでに満たしておらず、監督レベルも先進国と比べ大きな差があることを認めざるをえない。従来の独占禁止政策は掛け声こそ大きくとも、論理的で信頼できる事例がほとんどなかった。
またあまりに強い監督体制は長期間維持し続けることが不可能だ。重要なのは、監督を通じて業界に規則を作り、市場の主体が安定した予測を持てる状態にすることだ。それでこそ良質なガバナンスが実現する。
プラットフォーム経済の監督は、法治の精神に基づいて実施される必要がある。監督はプラットフォームの活力を失わせるためのものではなく、持続的に支援をするためのものだからだ。良質な監督体制の下、プラットフォーム経済が新たなフェーズに入っていくことを期待したい。
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