世界中の製薬大手が挫折する認知症薬の「難路」 最終コーナーにいる新薬は1つだけ

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大学や研究機関、製薬大手による基礎研究から薬の開発(治験)まで、アルツハイマー病の治療に向けて、世界中で膨大な時間とお金が投下されてきた。

下の図は最近の動きをまとめたものだが、アメリカやヨーロッパなど大手の製薬会社では、3段階に分かれる治験の第2相(P2)や承認への最終関門である第3相(P3)で開発中止を余儀なくされている。

アミロイドベータ仮説に基づくアルツハイマー病発症の最上流を攻める「BACE阻害剤」(詳しくは「認知症の根本的な治療に『3つの攻め手』」)では、2018年のアメリカのイーライ・リリー連合、2019年のスイス・ノバルティス連合に続き、エーザイの「エレンベセスタット」が治験の最終段階であるP3で、十分な安全性などを示せず、開発中止を決めている。

エーザイの失敗で主力会社の手がけるP3の新薬候補は全滅。BACE阻害剤での治療薬誕生の見込みは大きく遠のいた。

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