"転売ヤー"の是非 増殖を誰も止められない

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法律で禁じられている転売品はごくわずか。ネット上では高額転売がやりたい放題で、さらに増えそうだ。

本誌:菊地悠人、長瀧菜摘
写真:昨年はコロナの拡大で店頭からマスクが消滅。ネットでは高額販売が横行する事態が起きた

「転売ヤーに対していろいろと批判があるのはわかっているが、自分たちは“必要悪”といえる存在だ」

ある40代の男性はそう話す。かつてはパチプロだったが、転売をなりわいにし始めてから10年以上になるという。昨年は、人気ゲーム機の「Nintendo Switch(スイッチ)」や「PlayStation(PS)5」、『鬼滅の刃』グッズなどのほか、規制直前までマスクなどの衛生用品も転売し、「数千万円を売り上げた」と打ち明ける。

人気商品を大量に仕入れ、高値をつけて売る人たちは、ネットの世界で「転売ヤー(転売屋)」と呼ばれる。フリマアプリやオークションサイトなどで商品を転売し、利益を稼ぐ。小遣い稼ぎの個人から、転売で生計を立てる人までさまざまだ。

法律の規制は限定的

転売の商材は、一般消費者が買いそうなものであれば何でもあり。転売ヤーは人気化しそうで品薄が見込まれる限定商品、抽選販売が実施される新商品を徹底的に調べ上げる。ネット販売での買い集めだけでなく、実店舗で数量限定の販売があるとわかれば、アルバイトを雇って行列に並んでもらい、買い集めるプロ集団もいる。

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