"転売ヤー"の是非 増殖を誰も止められない

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
拡大
縮小

法律で禁じられている転売品はごくわずか。ネット上では高額転売がやりたい放題で、さらに増えそうだ。

本誌:菊地悠人、長瀧菜摘
写真:昨年はコロナの拡大で店頭からマスクが消滅。ネットでは高額販売が横行する事態が起きた

「転売ヤーに対していろいろと批判があるのはわかっているが、自分たちは“必要悪”といえる存在だ」

ある40代の男性はそう話す。かつてはパチプロだったが、転売をなりわいにし始めてから10年以上になるという。昨年は、人気ゲーム機の「Nintendo Switch(スイッチ)」や「PlayStation(PS)5」、『鬼滅の刃』グッズなどのほか、規制直前までマスクなどの衛生用品も転売し、「数千万円を売り上げた」と打ち明ける。

人気商品を大量に仕入れ、高値をつけて売る人たちは、ネットの世界で「転売ヤー(転売屋)」と呼ばれる。フリマアプリやオークションサイトなどで商品を転売し、利益を稼ぐ。小遣い稼ぎの個人から、転売で生計を立てる人までさまざまだ。

法律の規制は限定的

転売の商材は、一般消費者が買いそうなものであれば何でもあり。転売ヤーは人気化しそうで品薄が見込まれる限定商品、抽選販売が実施される新商品を徹底的に調べ上げる。ネット販売での買い集めだけでなく、実店舗で数量限定の販売があるとわかれば、アルバイトを雇って行列に並んでもらい、買い集めるプロ集団もいる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内