「デジタルカメラ市場を破壊したのはソニーだった」
大手カメラメーカーのある幹部は苦々しそうに振り返る。
というのも、2020年のデジカメ出荷台数は、2010年のピーク1億2146万台の10分の1以下になる見込みだからだ。ここまで市場が縮小した主因は、手軽に撮影できるスマートフォンが急速に普及したからだ。スマホを使えば、撮った写真を簡単に加工でき、他人と共有することもできる。SNSに手軽に投稿できるなど、スマホは写真の楽しみ方を大きく広げた。
ミラーレス市場で圧倒的な存在感
ただ、この幹部が言う「破壊」の意味はマイナス面ばかりではない。ソニーは伝統的なデジカメ市場のあり方を大きく変え、新しい時代のカメラ市場を作り出す「創造的破壊」を行ったと受け止めることもできる。
この10年間、市場縮小以外にも多くの変化がカメラ市場に起きた。最も大きいのは、市場を牽引する製品が一眼レフからミラーレスカメラへシフトしたことだ。その流れを創り出し、一眼ミラーレス市場で約4割のシェアを占めて圧倒的な存在感をみせているのがソニーだ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら