新型コロナウイルス禍からファッション業界全体が苦しむ中、市場関係者らの注目を集める企業がある。東証マザーズ上場の、靴通販サイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドだ。
靴の需要が低迷する懸念が高まり2月~3月に大きく落ち込んだロコンドの株価は、4月に入って急回復。その後は年初来高値を更新し、6月2日には一時1456円にまで上昇、直近1年間で最高値を付けた。
2010年に創業したロコンドは、「自宅で試着」をコンセプトに掲げ、靴の返品やサイズ交換を無料で受け付けるサービスを武器に成長。主力のLOCONDO.jpは婦人靴とアパレルを中心に2000ブランド超を取り扱い、2020年2月期の商品取扱高は年間115億円(前期比26%増)に達した。
取扱高の拡大と積極的なM&Aにより、ロコンドの2020年2月期売上高は85億円(前期比27%増)に拡大。一方で、2018~2019年に集中投下したテレビCMの費用がかさみ、営業損益は8300万円の赤字(前期は9.8億円の赤字)と、2期連続の赤字に沈んだ。
コラボ企画がヒット
足元では、新型コロナ影響による外出自粛で、売り上げの約7割を占める靴の需要が落ち込む懸念がある。ロコンドは2021年2月期について、「ネガティブサイドと、(ECの利用が増える)ポジティブサイドの影響がともに大きく、合理的予測が困難」であることを理由に、業績予想を非開示とした。
不透明な状況にもかかわらず、株価が急回復したのはなぜなのか。きっかけは、ユーチューバーとのコラボ企画のヒットにあった。
ロコンドは4月2日、約400万人のチャンネル登録者を抱える人気ユーチューバーのヒカルとコラボしたスニーカー(1万2800円)とサンダル(9800円)をLOCONDO.jpで限定販売。すると、サーバーが一時的にダウンするほど注文が殺到した。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら